「急須の歴史(由来)は常滑焼からはじまった?!」日本の急須の発祥やルーツについて
「急須の歴史(由来)は常滑焼からはじまった?!」日本の急須の発祥やルーツについて
お茶を淹れる道具として現在でも親しまれている「急須」
日本茶を淹れるための伝統的な茶器であり、その歴史はとても古く長い間人々に愛されてきました。
現在は伝統が見直されるとともに、古風なテイストが人気を高め、幅広い年代でユーザーが増えています。
急須は昔から使われている伝統的なものというイメージがありますが、日本において、急須がこれまでいかにして誕生し発展を遂げてきたのか。
その歴史についてまとめていきます。
急須の起源
急須は、茶道が発展したとされる17世紀頃の江戸時代に普及しました。
それ以前も急須といわれるものはありましたが、現在のかたちになり、庶民まで普及したのは、茶道が発展した江戸時代でした。
各家庭でも使われるようになり、家でお茶を淹れる時は急須で、という習慣が染みついていきました。
急須の語源は「急な用に応じて用いるもの」だそうです。
急須はもちろん、お茶の文化も、もとを辿ると「中国から伝わってきたもの」です。
中国からの伝来
急須の原型は中国から伝わったもので、元々は茶葉を煮出して作られたといわれています。
日本に伝わってからは、本来の使い方をしながらも、独自のアレンジを遂げ、急須というかたちが生まれていきました。
茶の起源と中国での発展
お茶はもともと中国では煎茶として茶葉を湯で煮出して飲む習慣がありました。
当初は茶葉を湯に浮かべてそのまま飲むスタイルでしたが、次第に茶葉を湯から漉し、飲み物として楽しむようになりました。
唐時代(618-907)
唐の時代になると、茶文化が普及し、お茶の淹れ方や飲み方にさまざまな工夫が加えられました。
この時期に、茶葉を急速に湯に漬けて抽出するための器具が登場しました。
これが急須の原型といえます。
宋時代(960-1279)
急須がより洗練され、形状が整えられ、機能的なお茶の淹れ方が確立されていきました。
宋時代には、急須が茶の一部として広く使われ、茶の風習が花開いた時期でもあります。
禅宗と茶の湯
中国で禅宗が興隆すると、茶も禅の修行と結びつき、茶の湯(茶道)が発展していきました。
急須も禅宗の影響を受け、茶の湯の儀式などで使用されるようになりました。
中国から日本へ
急須は、禅僧や茶人を通じて中国から日本に伝わりました。
日本では茶の湯が発展する中で、急須はお茶の淹れ方に欠かせない道具として定着していきます。
急須は中国の茶文化の発展とともに生まれ、日本では茶の湯と深く結びついて発展してきました。
禅の影響や茶道の発展などが、急須の歴史に大きな影響を与えました。
中国では茶が煎れられてから飲まれることが一般的でしたが、日本では茶を抽出して飲む独自のスタイルが発展していったのです。
日本での急須の普及と発展
日本では奈良時代(8世紀)まで遡ります
日本茶を淹れるための急須に関する歴史は古く、奈良時代(8世紀)にまで遡ります。
中国から禅僧や茶人を通じて伝わり、茶の湯の儀式で使用されるようになっていきます。
奈良時代(8世紀)
当時の急須は、お茶の粉末をお湯に混ぜて飲む方式でした。
奈良時代では、お茶を淹れるための容器として「煎茶碗」や「煎茶釜」が使用されていました。
お茶を淹れる技法や道具が次第に進化し、平安時代には茶の形式も変わっていきました。
平安時代(794-1185)
平安時代には、お茶を淹れる新しい道具が生まれました。
お茶を淹れるプロセスがより洗練されていき、お茶を注ぐための急須が登場します。
茶葉をお湯で急速に抽出するための便利な器具でした。
室町時代(1333-1573)
室町時代になると、茶の湯が発展し、茶道が盛んになりました。
茶道が礼儀正しく実践されるようになり、急須も茶の湯に不可欠な道具として定着していきます。
茶の湯と急須の発展期
茶の湯が発展するにつれて、急須も進化しました。
茶人たちは、急須の形状や材質にこだわりをもち、それぞれの流派や好みに合った急須を選ぶようになりました。
そして茶の湯が江戸時代には一般庶民にも広まり、急須も一般的な日用品として使われるようになりました。
江戸時代(1603-1868)
茶の湯が一般庶民にも広まります。
急須はより洗練されたデザインと機能性が増えていきました。
庶民から武士、茶人たちまで広く普及し、一般的な日用品として普及していきます。
明治時代以降〜現代
西洋文化の影響で紅茶が広まる中でも、急須は伝統的な日本茶を淹れる道具として支持されていきます。
デザインや素材も幅広く存在するようになり、好みや使用用途に合わせて選ばれていくようになります。
それからは、よりデザインや素材の多様化が進み、ガラスやステンレスなどスタイリッシュな新素材も使用されるようになっていきます。
現代の急須は機能性と美しさを兼ね備えた「おしゃれ急須」が多く存在します。
また、電気ポットやティーポットといった新しい器具も登場し、急須の使用方法も多様化しています。
現代においても、急須は日本茶を淹れる道具として重要な役割を果たしています。
独自の進化とともに変遷を遂げ、伝統的なものからモダンなデザインのものまでさまざまな種類があり、国内外で多くの人々に親しまれています。
急須を通して、日本の豊かな茶の文化に触れてみてください。
焼きもの産地の急須
万古焼の誕生
18世紀半ば(江戸時代)には、三重県四日市市で「万古焼(ばんこやき)」という急須の製造が始まりました。
万古焼の急須は、耐久性があり、保温性にも優れているため、煎茶道具として広く愛用されていきます。
常滑焼の発展(19世紀〜20世紀)
19世紀には、愛知県常滑市で「常滑焼(とこなめやき)」の急須が作られるようになりました。
常滑焼の急須は、赤土を使用した「朱泥急須(しゅでいきゅうす)」として有名で、茶の風味を引き立てると評判でした。
美濃焼、信楽焼、備前焼などの多様な急須
この時期には、他の地域でも急須の製造が盛んになりました。
岐阜県の美濃焼、滋賀県の信楽焼、岡山県の備前焼など、多くの産地で独自の技術とデザインの急須が作られるようになりました。
常滑焼の急須
常滑焼(とこなめやき)は、愛知県常滑市を中心に生産される陶器。
日本六古窯のひとつで、その歴史は古墳時代まで遡ります。
常滑焼の中でも急須は、日本国内外で高い評価を受けており、その製造技術とデザインは時代を超えて進化してきました。
古墳時代から平安時代
常滑焼の起源は、5世紀から6世紀にかけての古墳時代にまで遡ります。
この時期には、須恵器(すえき)と呼ばれる高温で焼かれた硬質の陶器が生産されていました。
平安時代(794-1185)になると、常滑の地で大規模な窯業が始まります。
この頃の製品は、主に生活雑器や仏具でした。
鎌倉時代から室町時代
鎌倉時代(1185-1333)には、常滑焼の技術がさらに発展。
生活用品としての陶器が広く生産されるようになりました。
特に甕(かめ)や壺(つぼ)が多く作られ、これらは米や味噌、酒などの保存容器として利用されました。
室町時代(1336-1573)に入ると、常滑焼は全国にその名を知られるようになり、多くの窯が設けられました。
安土桃山時代から江戸時代
安土桃山時代(1573-1603)には、茶の湯の文化が広まるとともに、茶道具の需要も高まりました。
この時期から常滑焼の急須も生産が始まります。
江戸時代(1603-1868)には、常滑焼の急須は煎茶の普及とともにその需要が増加しました。
常滑焼の朱泥急須
18世紀後半になると、常滑焼の急須はさらに発展しました。
特に、「朱泥(しゅでい)」と呼ばれる赤土を使用した急須が作られるようになりました。
朱泥急須は、その独特の赤い色と優れた保温性、そして茶の風味を引き立てる特性で人気を博しました。
この頃、常滑の陶工たちは、中国から伝わった技術を基にしつつ、独自の工夫を加え、常滑独自の急須を作り上げました。
また、常滑では手びねりやろくろ技術が発達し、美しい形状と実用性を兼ね備えた急須が多く生産されていくようになります。
明治時代以降〜現代
明治時代(1868-1912)には、常滑焼の急須は国内外で高い評価を受け、輸出も盛んに行われました。
常滑焼は、産業革命の影響を受け、機械化が進む一方で、伝統的な手工芸の技術も維持されました。
20世紀後半から現代にかけて、常滑焼の急須はさらに多様化しました。
デザインや機能性が向上し、現代のライフスタイルに適応した急須が多く生産されるようになりました。
常滑焼といえば急須
常滑の土は耐久性があり、水を吸わないのが特徴なので急須に最適といわれています。
常滑焼は急須の原型となった焼物としても知られており、注ぎやすい口の形や持ち手は常滑焼がもとになっているとされています。
招き猫や壺、お椀など、時代の変遷とともに様々なものを生産してきましたが、その中で急須が有名で、急須の生産量は日本一。
国内シェアは90%となっています。
常滑急須は高い技術力で作られており、美味しいお茶が入れられるとして高い人気を誇っています。
招き猫の生産量も日本一になっています。
手作りだからこそ楽しめる朗らかな雰囲気や優しい表情が魅力です。
常滑焼の急須の特徴
上記のように、常滑の土は耐久性があり、水を吸わないのが特徴なので急須に最適といわれています。
そんな特性により、常滑焼は急須の生産が盛んとなり、急須の産地として国内シェアは90%という一大産地になっています。
そんな常滑焼には
特徴①:手作業による高い技術力
常滑急須は高い技術力で作られており、美味しいお茶が入れられるとして高い人気を誇っています。
常滑焼の急須は、手びねりやろくろ技術を駆使して作られます。
特に「常滑焼の急須職人」は、その技術と芸術性で知られています。
手作りだからこそ楽しめる朗らかな雰囲気や優しい表情が魅力です。
特徴②:機能性と美しさ
常滑焼の急須は、使いやすさと美しさを兼ね備えています。
注ぎやすさや持ちやすさ、茶葉の蒸らしやすさなど、細部にわたる工夫がなされています。
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特徴③:朱泥急須
朱泥は鉄分を多く含む赤土で、高温で焼き上げることで独特の赤い色が出ます。
朱泥急須は、その色合いと保温性、そして茶の風味を引き立てる性質で特に人気があります。
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まとめ
急須は、長い歴史を持つ日本の伝統的な茶道具であり、中国から伝わった煎茶の文化とともに発展してきました。
地域ごとに独自のスタイルと技術を持つ急須が作られ、多様なデザインと機能性を持つ急須が現代でも愛用されています。
急須の歴史は、日本の茶文化そのものの歴史ともいえるでしょう。
常滑焼の急須は、その長い歴史と共に進化し続け、日本の茶文化を支える重要な存在です。
古墳時代から続く常滑焼の伝統は、時代の変化と共に新しい技術やデザインを取り入れながら、現代に至るまで愛され続けています。
常滑焼の急須は、実用性と美しさを兼ね備えた逸品であり、茶を楽しむ際の欠かせない道具となっています。
そんな常滑急須の心地よさを体感してみてください。
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