「なぜ今治タオルは品質がいいのか？」

世界が認めた「吸水・ふわふわ・やわらかい」その理由とは？

「日本が誇るタオルといえば？」

と聞かれて出てくるのは今治タオルではないでしょうか。

今治タオルはそれほどまでに人気のある有名なタオルブランドとして、世界的にも評価を受けている日本が誇るプロダクトになっています。

今治タオルといえば、このロゴ。

日の丸とボーダーが入った、日本らしい特徴的なブランドロゴ。

今治タオルを選別する指標ともなっているのではないでしょうか。

聞いたことがなくても、もしかしたら見たことがあるかもしれません。

そんな今治タオル。

“なんとなくいいもの” というイメージがあるかと思います。

とにかく品質がいい。

ざっくりとそんな印象を与えてくれています。

確かに、世界が認めたそのクオリティ。

では、なぜそんなに評価を受けているのか。

そして、実際に何がいいのか。

こちらの記事では、そんな今治タオルの魅力をお伝えしていきます。

タオルの一大産地「今治」

今治タオルは、瀬戸内海の美しい自然に囲まれている愛媛県の北部、今治市で生産されています。

近年では海峡を横断するしまなみ海道のある町としても知られています。

そんな愛媛県今治市は、国内生産量の約60%を占める、タオルの国内生産量日本一の一大産地となっています。

120年ものあいだ、タオル産業が受け継がれ、糸を撚る工場、糸を染める工場、タオルを織る工場など、いまや200近くの工場が集まっているタオルの聖地です。

今治タオルの歴史

今治でタオル生産が始まったのは、明治27年、120年ほど前です。

もともと、高級なタオルとして認められていましたが、バブル崩壊後の安価な海外製タオルの普及により、今治のタオル産業はその流れに逆らうことができずに低迷していきました。

それから2006年、今治タオル再生に動き出します。

佐藤可士和氏をブランディングプロデューサーとして迎え、「今治タオルプロジェクト」が始まりました。

タオルは直接肌に触れるものということから、品質にこだわる本物志向の日本人に指示を受けるようになります。

徐々にその品質の良さが再度認められはじめ、ジャパンクオリティのひとつとして日本国内だけではなく、世界的に認められるようになります。

ニューヨークのホームテキスタイルショーでグランプリを連続受賞するなど功績を挙げ、海外でも注目を集めたことから、「JAPANブランド育成支援事業」にも指定されました。

「ふわふわな肌ざわり」「乾きやすい素材感」

ハイスペックな特徴

今治タオルといえば、「ふわふわ」なイメージが定着しているかと思います。

しかし、今治タオルはふわふわなだけではなく

・肌ざわりがいい

・水分を吸いやすい

・乾きやすい

と、実はタオルに求めるスペックが全てと言っていいほど詰まっているのです。

ふわふわで肌ざわりが良く、しっかり水分を吸って拭き取り、すぐに乾いてくれる。

タオルを使う上では欠かせない要素がしっかりとある機能性にも優れているのです。

今治タオルがハイスペックな理由

では、なぜそれほどまでにハイスペックなのでしょうか。

これは、実は “今治タオルでしかできない” 理由がありました。

それは、“今治の水” です。

【今治タオルをやわらかくする、今治のやわらかい水】

瀬戸内海の自然に囲まれている、温暖な気候と豊かな水源。

この恵まれた自然が、日本屈指のタオル産地 ”今治” を育てたのです。

そして、その水源となる、今治で豊かに流れる蒼社川の伏流水が、重金属の含有が少ない軟水だったこと。

その軟水が、非常にタオルづくりに適していたのです。

タオルは水で決まると言っていいほど、製造に多くの水を使用し、使われる水によって品質が変わってきます。

今治タオルは、この軟水のおかげで、生地や糸にやさしく、繊細で鮮やかな色の表現や、綿が本来もっているやわらかさを十分に引き出すことができるのです。

タオルづくりを支える良質な水、 美しく豊穣な水資源が今治のタオルづくりを支える産地には、川の伏流水や山からの地下水など、極めて重金属が少なく硬度成分も低い、晒しや染めに適した良質の水が豊富にあります。

この良質な天然の軟水を用いて晒しを行うことで繊維にやさしい仕上がりとなり、繊細かつ柔らかな風合いや鮮やかな白色になります。
今治のタオルづくりとその品質を支えているのは、美しく豊富な水資源なのです。

今治の軟水で作られているから、やわらかさがずっと続く

一般的なタオルは、使うたびに硬くなっていきますが、今治タオルはやわらかさが持続します。

やわらかさが持続する理由は、今治のタオルは撚り(より)が強い糸は使わないからです。

使い続けた後も、柔軟剤を使わなくても柔らかさは変わりません。

吸水性も今治タオル独自の品質基準「5秒ルール」

今治タオルは、吸水性にも自信を持っています。

その理由が、独自の品質基準として設けている「5秒ルール」にあります。

一見ちょっとした遊びのようにも聞こえますが、非常におもしろい基準となっています。

それは、

タオル片を水に浮かべたときに、5秒以内に水中に沈み始めるかどうかを測る

というもの。

沈み始めないとないと今治タオルの基準を満たしたことになりません。

つまり、使う前に洗濯しなくても吸水性があるのが今治タオルの基準であり、バツグンの吸水が保証されているのはこのような裏付けがあるからなのです。

その他、項目ごとに様々な基準があります。

安心・安全・高品質な今治タオルを支えているのは、このような品質を守る厳しい基準があるから。

今治ブランドのロゴをつけられるのは、今治タオルの工業組合が定めたこれらの厳しい審査基準をクリアしたものだけです。