【産地】スリッパの生産量日本一はどこ？　〜日本の名産をめぐる〜

『日本の名産を巡る』　-スリッパ編-

日本には全国各地に様々な産業が発展し、”産地”といわれる地域があります。

今回は、誰もが使ったことがある”スリッパ”の産地ついて。

スリッパの産地

スリッパの産地は、山形県河北町。

山形県の名産といえば、さくらんぼが有名です。
車を走らせると、さくらんぼ農園が至る所にあり、やはり有名なだけはあるなと感じてしまうほどです。
果物は他に桃や洋梨も生産しているのだそうです。

そんな山形県には、実は他にも日本一が存在します。
それは『スリッパ』

スリッパの生産量が日本一であり、国内生産量の約40%をしめるのが山形県河北町。

山形県を代表する河川「最上川」が近くに流れる、人口約19,000人ほどの小さな町でスリッパという産業が発達しました。

歴史的背景

もともと農業が盛んなこの地域では、収穫が難しい冬の時期に内職として草履を作ったのがはじまりだといわれています。
それが昭和時代には日本一のスリッパ産地として栄えます。

はじまりは戦前。
1930-1940年頃に最盛期を迎えますが、時代とともに変化する需要に対応し、藁草履からゴム草履が普及し、スリッパへと変遷していきました。
1960年代前半からスリッパ生産が本格的に開始され、1980年代には生産量が全国の30％をしめるまで発展していったそうです。

海外生産が主流となり低価格商品が出まわる現在でも、国産を貫き品質の良いスリッパを製造されています。

現代も変わらないスタイル

農家さんの冬場の内職からはじまった履物産業がいまや日本を代表する名産品になっています。

この歴史的背景は現在も変わらず、普段ひとつひとつ手作業で製造を行うスリッパ職人さんのなかには、初夏になるとさくらんぼの収穫をされる方もいらっしゃるそうです。

昔から変わらない製造背景とスリッパ職人さんのライフスタイルが現在も受け継がれています。

現代では、「かほくスリッパ」としてブランド化され、国内だけではなく海外でも注目を集めています。

山形県を産地とするスリッパは、日本が誇る名産品となっています。