美濃焼のルーツ。一大産地の歴史や由来とは?
美濃焼のルーツ。一大産地の歴史や由来とは?
日本国内で生産されている焼物の約50%を占めている一大陶器産地の「美濃焼」
現在の岐阜県にあたる美濃国の東部地域で生産されている陶磁器をいいます。
現在では私たちの食卓には欠かせない存在となっているこの焼物。
はじまりはなんと奈良時代といわれています。
およそ1300年前から作られ、現在まで受け継がれいる美濃焼は、それだけ長いあいだ人々に親しまれてきました。
現在の美濃焼らしさとなる特徴も歴史によって構築され続けています。
特徴がないのが特徴とされているのは、その時代に合わせてモノづくりをしてきたという背景があります。
時代に合わせて新たな釉薬を開発し、多彩な技術を用いて作り込まれているので、姿形や質感は多種多様です。
安土桃山時代には、茶道文化の流行により全盛期を迎え、明治時代以降の技術革新により大量生産ができるようになったことから、より多くの人の手に触れるようになっていったのです。
美濃焼のルーツと歴史
美濃焼はおよそ1300年前から作られており、長いあいだ時代背景に合わせて発展を遂げてきました。
その時代、その時代に、人々の好みに合わせて新しく釉薬を開発し、技術を築いて様々な姿形、色彩の焼物を誕生させてきたのです。
そのため、「コレ」というテイストではなく、様々な技法を持った豊かなバリエーションが美濃焼なのです。
奈良~室町
「美濃焼の誕生」
起源は奈良時代。
朝鮮から伝わった「須恵器」づくりがはじまりとされています。
平安時代になると植物灰を用いた灰釉陶器、鎌倉室町時代には釉薬を用いない無釉陶器がつくられていくようになりました。
のちに瀬戸からもたらされた施釉陶器 (素焼き後に釉薬をかけて焼成する) が作られていきます。
時代に合わせて技術を発展させていきました。
安土桃山
「”茶陶”としての全盛期」
美濃焼の全盛期はこの安土桃山時代(1573年~1603年)だとされています。
茶道文化の流行が追い風となったのです。
わずかなこの30年で、千利休や古田織部のような茶人らの活躍もあり、美濃焼の基本の様式である四様式(瀬戸黒・黄瀬戸・織部・志野)が誕生しました。
ゆがみをあえて良しとする斬新な姿形や、豊かな色彩の美濃焼は当時の人々にとっては革命的であり、四様式が飛躍的に発展し、いくつもの器が生み出されていきました。
この頃の日本では、中国の唐物茶碗や朝鮮の高麗茶碗など海外の華やかで高価な茶碗が注目されており、美濃焼のような和物茶碗は影を潜めていました。
そこで動いたのが、千利休や弟子の古田織部。
歴史に名を残した偉大な茶人たちです。
利休はわびさびを重んじ、「侘び茶」の世界観を求め茶室から道具、すべての刷新を試みていました。
対して弟子の古田織部は、自由な美を世界観として確立していきました。
美濃焼の四様式のひとつ、「織部」の生みの親です。
瀬戸黒、黄瀬戸、志野にも影響を与えたとされています。
さらに、利休、織部は織田信長や豊臣秀吉に仕えていたことから、より美濃の窯場は活性化していきました。
商人たちも岐阜から京都や大阪、そして江戸にも販路を広げていきました。
江戸~明治
「技術革新によりさらに広まる」
江戸時代に入ると茶陶の中心は京焼に移り、美濃では日常雑器の生産が多くなっていきました。
青磁をめざした御深井(おふけ)や、江戸後期には染付、青磁や白磁などバリエーションのある陶器が生産されていきました。
また、これまでは窯株の所有者のみが生産できていました(窯株制度)が、1872年(明治5年)に廃止され、技術改革により品質や生産力の向上がなされ、美濃焼の生産量は増加していきました。
大正~昭和
「クリエイターの活躍」
大正時代に入ると、美濃焼はさらにデザインによる技術開発が活発になりました。
アート性のある工芸品をつくる名陶工も出現するようになり、伝統的な茶陶を踏まえつつも自己感性を表現する陶芸家が登場していきました。
現在では岐阜県は陶磁器のシェアの約50%を占め、全国一の産地にまで発展しています。
いまや日本の食卓には欠かせない存在となっています。
時代とともに変化を続けてきた美濃焼。
「特徴がない」というよりも、「特徴にとらわれない」作り込みをしてきたといえるのではないでしょうか。
特徴にとらわれないからこそ、現在では料理を選ぶことなく様々な場面で活躍しています。
現代の食卓になじみやすいことが、人々に愛され続けている理由ではないでしょうか。
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